2008.06.21
先週の土曜日、世田谷美術館で開催されていたエキジビション、『冒険王・横尾忠則』展に出掛けてきました。必ず行く!と決めていたので、最終日前日、やっと出掛けられて、ホント良かったです。横尾さんの大規模個展に伺うのは、2002年、東京都近代美術館での『森羅万象』展から2回目ですが、相変わらずの盛況と充実振りで、今回も圧倒的なエネルギーに(勝手に)振り回され、ヘトヘトになってきました。『冒険王』には、横尾さんの湧き上がり続けるパワーの源泉を探る意図もあるようですが、私は、ひたすら受け止め、面白がる事だけで、精一杯。一週間たった今も、図録を眺めては、ずっと面白がり続けています。
図録の表紙。
横尾忠則さんについては、今更ここで解説するまでもないでしょうが、半世紀!ずっとトテツモナク凄いままなところが、本当に凄い!!私の人生丸ごと、すっぽりですよ。(ねっ、すごいでしょ…笑)それから、図録で改めて確認し、そうそうと、思い出したのが、ドラマ『ムー一族』のタイトルバック。青春ど真ん中だった方には懐かしいかもしれません。そう、そんな昔の、そのまた昔からトップランナーなんですね。(ねっ、わかりやすいでしょ…笑)
今回、この『冒険王』を見学予定だった小学校が、『子供には不適切な箇所アリ』と急遽中止を決定した事、ちょっと残念かなと思います。確かに刺激的ではありますが、試されるのは、むしろ子供達の様々な反応に対応する大人サイドの切返し方や、ユーモアの力量かも…と、笑顔でセミヌードの女性が、蓮を両脇に飾った機関車の先端で、波間を力強く進んでいく、『終わりの美学』のイラストレーションを見ながら、ちょっと思ったりしました。このあっけらかんとした明るさがあれば、何事も健康的に収まりそうなのですが。
作品を見終えてから、偶然お見かけした横尾さんは、とっても若々しく、まだまだ冒険し続けてくれそうです。外に出れば、砧公園に隣接した美術館の周りの大木が、何本も伸びやかに枝分かれし、気持ちよく緑を揺らしています。ヘトヘトは大いに癒され、売り切れ寸前だった図録集を大事に抱えて帰ってきました。
さて、最近変えたアトリエ入口のディスプレイ。コンソールを下から伝い、アレンジを覆うように、こちらも頑張って伸びているところです。『冒険王』の後だけに、何だか健気に見えますが、繊細な蔓は、魅力的で、大好きな素材のひとつ。これから季節毎、表情を変えていきますので、おまけのプチ進化もお楽しみ下さいね。面白がってご覧いただけたら、何よりです!